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そして僕のこの体は四宮若菜のものだ。
え?つまりどういうことかって?
簡単なことさ。目の前の黒髪ロングの女の子の体はこの僕、佐竹葵のもので中身は四宮若菜。
向って茶髪の美人な女の子の体は四宮若菜で中身は僕、佐竹葵なのだ。
うん。整理してみると理解してきたぞ。
「ちょっと、何急に黙ってるのよ」
現状把握をしながら現実逃避という新しい境地に入った僕に四宮さんは容赦なく突っ込んでくる。
「現実逃避したっていいじゃないか。…最悪の気分だよ」
「あら、ウチは最高の気分だけど?」
「どこが!!だって入れ替わってるんだよ?四宮さんはいいの?自分の体に男の僕が入ってるなんて、普通は嫌じゃないの?」
「別にいいけど」
「ほら、嫌じゃん…っていいの?!だって僕だよ?地味で目立たなくてそんな僕が入ってるなんて普通嫌じゃないの」
「あのさぁ…忘れているみたいだけど」
僕が四宮さんに詰め寄ると、四宮さんは右耳に髪の毛をかけて僕に一歩近づく。
「え…な…なに」
トンっと軽い音と共に顔の横に置かれた手は、僕の背後の桜の木に置かれ、避けようとした僕はそのまま桜の木に背中を預ける形になる。
これはいわゆるー
壁ドン。
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