それは放課後のことー前編ー

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お姉ちゃんに読まされた少女漫画で見たことがある。 イケメンのヒーローがヒロインに壁ドンしてドキドキするとかそういう場面!え、これ僕がやられているの?僕の姿をした四宮さんに? 「ウチ、あんたに告白してるんだよ」 それはそれはとても綺麗な笑顔で、鼻と鼻がくっつきそうな距離でそう四宮さんは言った。 僕の脳内現実逃避祭りはあっけなく現実に再び戻される。 「えっと…」 頭の中は再来したパニックが嵐の様に駆け巡り、上手く考えがまとまらない。 つまり-? 「好きなあんたがウチの体に入ってるんだから嫌とか思うわけないじゃん」 「っっな、ななな!!!」 と、突然の告白ですか?! いや、今朝もされたけど。ここで?ぶわっと顔に熱が集まるのがわかる。視線を逸らさずまっすぐ見つめられて目を離せない。いや、いやいやいや。何赤くなってるの僕。確かに相手は四宮さんだけど僕のしかも女装した顔だよ?何に恥ずかしくなってるんだ。 あ、告白。告白にか。見た目は僕でも言葉や仕草は確かに四宮さんなんだ。だからこんなにドキドキして…。 「また断るつもり?理由も言わず?」
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