誓いは花びらの雪の中で

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 瀬名と私は同棲している。名目上はただのルームシェアだけど。 最初は、一緒にいられるだけで嬉しかった。朝も夜も、どんなときも瀬名がいてくれる。 私の帰る場所に瀬名がいる。それだけで嬉しかった。 「あんた、いい人はいないの?そろそろ結婚も考えないと」  けれどそう、親に電話で結婚の話をされたとき、私は水をかけられたように目が覚めて、現実を見せられた気分になった。 今のまま、いつまでも瀬名といられる日々がただ続くことはない。 「それにほら、瀬名ちゃんにも迷惑かけたままじゃいけないでしょう?もう一人暮らししてもいいんじゃない?瀬名ちゃんも彼氏とゆっくりしたいだろうし」 ちがう。ちがうんだよ、ねぇ。 瀬名は私の恋人なんだよ。私達、もうずっと付き合ってるんだよ。 そう言える勇気が私に無いからいけないんだろうな。 胸の中で渦巻いた言葉は、喉でつまって、声にならないまま消えてしまう。 何度も何度も、言おうとして、言えなくて。 優しい瀬名に甘えて、ずっと周りに嘘ついたまま。傷つきたくないって、結局は自分ばっかりな私が、本当に嫌い。  それからずっと考えてる。 私達は同性だから、もし親に話せても反対されるかもしれない。結婚だってできない。 それでも瀬名といたいって、そう思う心があるのと同時に、親や、周りの人に祝福されないまま瀬名といられるか不安に思う心もある。 瀬名が好き。瀬名を愛してる。 でも、不確かな関係で、周りの人にも祝福されずにあれるかなんてわからなくて、不安になる。 私達の絆を、名のある形で表せればいいのに。
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