10566人が本棚に入れています
本棚に追加
その夜、開店してしばらくすると、お客さんたちが次々にやってきた。
次々と言っても、ミハイさん、珠美さん、木戸なんだが。
常連が三人になったところで、どうもミハイさんに妙な対抗意識ができたらしく、開店と同時に来ることが増えた。
まだ毎日ではないし、毎回午後9時ジャストではないが、以前より意識しているらしい。
「私のような高貴なる種族が、辺境の地の下等な獣に一つでも劣るようなものがあってはならん。」
劣ってはいないかもしれないけれど、残念具合もダントツかもしれない。
そして、今夜は何故か来るお客さん来るお客さんが、変なことをいう。
「あらー?泉実ちゃん、なんかいつもと雰囲気違う?」
どこも変えた覚えはないが?
「何かいいことあった?うーん、お詣りに行ったとか?」
神社ってことなら、どこにも行ってない。
俺が出掛けたのは、星裏銀座商店街くらいなもんだ。
「神々しい気をまとっている!そうか、とうとう我が元へ来るきになったか!」
目と脳をどこかの神社で祓ってもらってこい、吸血鬼。
最初のコメントを投稿しよう!