4 特別編 十子さんの場合

2/31
10531人が本棚に入れています
本棚に追加
/260ページ
【十子さんサイド】 「何で東京にまで来なければならんのだ!」 「仕方ありませんよぅ、十子さん。他の人が役立たずなんですからぁ。」 「もっと若いもんを育てる県庁でなくてはならん。今以上に、県民の皆様にご満足いただくためにもな!」 朝イチの新幹線で出張に来た十子さんは、機嫌があまりよくない。 県庁勤務ではあるが、所属は秘書課である。 それが、何故かまったく方向の違う仕事に駆り出されている。 それもこれも、県知事になった大学時代の先輩が、十子さんに頼りっぱなしだからなのだが。 さらに、十子さんの機嫌を逆なでる同行人が一人。 「十子さぁん。ホテルに戻る前に美味しいもの食べましょうよ!で、その後一杯飲んで、その次に・・・」 「アホかぁぁ!まだ明日も仕事があるのに、どれくらい遊ぶ気だぁぁ!」 十子さんの自称親衛隊長にして、元ストーカー、現ストーカーもどきの部下、高見も健在だ。
/260ページ

最初のコメントを投稿しよう!