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【十子さんサイド】
「何で東京にまで来なければならんのだ!」
「仕方ありませんよぅ、十子さん。他の人が役立たずなんですからぁ。」
「もっと若いもんを育てる県庁でなくてはならん。今以上に、県民の皆様にご満足いただくためにもな!」
朝イチの新幹線で出張に来た十子さんは、機嫌があまりよくない。
県庁勤務ではあるが、所属は秘書課である。
それが、何故かまったく方向の違う仕事に駆り出されている。
それもこれも、県知事になった大学時代の先輩が、十子さんに頼りっぱなしだからなのだが。
さらに、十子さんの機嫌を逆なでる同行人が一人。
「十子さぁん。ホテルに戻る前に美味しいもの食べましょうよ!で、その後一杯飲んで、その次に・・・」
「アホかぁぁ!まだ明日も仕事があるのに、どれくらい遊ぶ気だぁぁ!」
十子さんの自称親衛隊長にして、元ストーカー、現ストーカーもどきの部下、高見も健在だ。
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