4 特別編 十子さんの場合

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それでも、仕事の後の食事は遅い時間となり、ホテルへ帰る時間もそれなりの時間となる。 「あれ?十子さん、あんな所にお店が。」 高見が、ひょいと狭い路地を覗いた。 それにつられて、十子さんも見る。 「・・・・・・行くぞ、高見ぃ。」 「はいっ!お供しますぅ!」 供もなにも、単に居酒屋の暖簾と灯りの方向に行くだけなのだが。 そこは、外観も古い小さな居酒屋。 入り口近くの止まり木に、何故か烏が止まっている。 その烏が、一声「ぎゃあ!」と鳴いた。 それを、じろりと睨む十子さん。 その眼光に気圧されたか、さらに鳴こうとした烏が黙り込み、止まり木の端によじよじと移動する。
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