10547人が本棚に入れています
本棚に追加
「へえ。烏のいるお店ですかぁ。面白いですねぇ。」
「・・・胡散臭い。あの母の守備範囲かもしれん。腹立たしい。」
十子さんは、烏から何事か感じ取ったらしく、額に縦しわを刻んだ。
そして、カラカラと店の戸をあけた。
「いらっしゃいませ。」
カウンターの中から、穏やかな声がかけられる。
十子さんは、店主を一瞥した。
年の頃は、30代半ばか。
作務衣姿で、清潔感がある。
店内はカウンター席が7席ほど。
二人掛けのテーブル席が二つ。
カウンターは、常連客らしい男女が3人。
「お好きな席へどうぞ。」
「うむ。」
高見がテーブル席の椅子を引きかけたが、十子さんはカウンター席に座った。
最初のコメントを投稿しよう!