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俺は、思わずお守りを握りしめた。
あのお婆さんは、そんな大変な力を手にしていたのか・・・
神様の力を使えるって・・・その代わり、男の子が生まれるとその子はダメになるとか、跡継ぎが出来ないと死ねないとか・・・何だ、それ。
『泉実。大丈夫かい?泉実。』
心配そうなウカさんの声がした。
タカさんが嘘を言うはずもなく、俺はかなり動揺していたのだろう。
「親切な人だったんです・・・!俺の話を聞いてくれて、励ましてくれて・・・っ!」
『落ち着け、落ち着け。おまえが思っとるほど向こうは自分のことを不幸だなんぞと思うとらんわ。』
『ともかく、なるべく関わっちゃいけないからね。その人間は悪くない、それは保証する。ただ、その人間に悪意をもつ力がない訳じゃない。巻き込まれたらこまるだろう。』
そのときは、俺たちがどうとでもするがな!と言って、タカさんウカさんの声が途切れた。
相変わらず一方的だな、神様ズ。
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