5 特別編 一子さんの場合

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その後。 米だの酒だの菓子だのが大量に東京の居酒屋に届き。 それを店で店主が客に見せたところ、常連たちが悲鳴をあげたとかあげなかったとか。 その米を炊いて塩むすびを作ったところ、座敷わらしのまりちゃんは美味しい美味しいといつもより1個多く食べたとか。 ヤタガラスのヤタに、その酒を御神酒として出したところ、「ぎょえー!そ、そ、それは高御産巣日神様からの許可なくば飲めぬ代物であぁぁる!」とびびられたとか。 店主は、もちろんそれらを全部ありがたくいただいた。 そして、ヤタから報告を受けたのと、御守りから事の次第を把握したのとで、タカさんとウカさんが日を置かずに揃って来店。 「だからなあ、関わるなと言うただろうが。」 「泉実のことだから、相手がお婆ちゃんでほだされちゃったんだろうけど、中には怖い年寄りもいるんだよ。」 懇々と諭す神様たちに、ミハイさんが怒鳴る。 「貴様らが把握しておきながら、この事態か!弱小神族めらが!」 日本の神様に何てこと言うんだ、この罰当たり! 二人とも偉い神様だ!日本の神様敬え!
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