5 特別編 一子さんの場合

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「ま、こんなものかな。忌々しいけれど、ミハイも力のある妖怪というか、妖怪としても非常識な魔力と強運をもってるから、大した不運をぶつけられないんだよね。」 ウカさんの祟りと華原さんの登場が同程度。 これ、ウカさんが祟るのに手を抜いてくれたおかげなのか、華原さんの存在がミハイさんにとっての祟りに相当するのか、神様の祟りより吸血鬼の非常識極まりない存在が際立ってるのか、どれだ? 「この雌ゴリラーッ!!」 「ミラちゃん、かっこいいわー!」 「うるせえなあ、吸血鬼同士。コウモリの喧嘩なら、どこか田舎の洞窟でやれよ。」 「あら、どこかで野犬の虫の息が。」 ミハイさんと木戸も仲が悪いが、木戸と華原さんも仲が悪い。 「おーい、わしにぶん殴られるのはいつになるんじゃ。」 先に外に出ていたタカさんが戻ってる来る。 ああ・・・今夜も安定のカオスだ。 あの母娘に年賀状を出そうと思っているってのは、黙っていた方がよさそうだ。 俺は、お客さんたちの酒の用意をした。 本日、これにて閉店。
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