最終編 照子ちゃんの場合

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今年のクリスマス会なる常連さんたちの宴会は、おかげさまで1週間前に終えた。 クリスマスイブは、家庭があるお客さんや恋人のいるお客さんの予定優先で。 24日に計画しようとしていた珠美さんを、そう言って止めさせてもらった。 なんでよ!と不満をもらす珠美さんに、こっちこそなんでだと言ってやりたかったが、隣にいた琴子さんが「珠ちゃん、あんたもそこに含まれてるんだから、少しはおわかりよ。あんた、ご主人も息子さんもいる主婦になったんだろう?」と代弁してくれた。 「だから、和佐もリュウくんも、参加すればいいのよ。」 「違いますよ、珠美さん。」 そういう日は、家族だけで過ごせばいいじゃないか。 それに、今年こそリュエルクさんが百合子さんをクリスマスイブに誘えるかもしれないじゃないか。 そしたら、珠美さんは相原さんと夫婦水入らずで・・・ 「家族3人ね・・・百合子ちゃんも誘ってあげないといけないけど、ご家族で20日過ぎからお父さんの実家のイタリアに戻らないといけないんですって。」 リュエルクさんのクリスマスデート案、あえなく終了。
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