最終編 照子ちゃんの場合

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俺が愕然としていると、女性は慌てて首を振った。 「たまたまです。お着替えの様子を覗いたのではありません。だってあなた、服を剥ぎ取られて縛られてましたから。」 服を剥ぎ取られ、縛られて・・・ そんな暴力的な扱いを受けた記憶は、一つしかない。 北欧の邪神ロキが天の邪鬼をそそのかし、俺は瓜子姫が吊るされている木に服を剥ぎ取られて縛られたんだった。 そう、パンツ一丁で。 その時に助けを呼んだが、当時家に置いていたポチ(ヘルさんのところのガルムだが、俺にとってはポチなんだよな)が来てくれるかどうかわからず、ついミハイさんまで呼んでいらない恥をかいた記憶が残っている。 ポチが来てくれるなら、ミハイさんを呼ばなかった! いや、待て、確かそのときに見ていた云々が・・・ 「ウカさんが確か・・・」 言っていたような。 『俺がタカを呼んだら、一緒についてきちゃったんで、三人で泉実のことを見てました。』 『あ、照子ちゃん、天照大神ね。』 「えええええっ!!」 商店街だというのに絶叫した俺は悪くないと思う。
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