最終編 照子ちゃんの場合

16/76
前へ
/260ページ
次へ
「困ります!!」 夜には開店したいんだよ、俺は! 買い出しはできなかったが、昨日の買い置き分や多少は冷凍もあるから、対応できないこともない。 なのに、戸が開かないってことは、暖簾も出せないし、お客さんも入ってこれない。 ダメだろう、さすがにそれは! タカさんウカさんスサくんだって、どこまでの我が儘は言わなかったぞ? 「少しの間ですから、お願い!」 必死な俺、必死な照子さん。 少しの間ってどれくらい? 「ほんの・・・数週間!」 冗談じゃない! 「待って!お話を聞いてちょうだい!」 神様ズの事情は、聞いたら最後な気がするぞ。 そうやってスサくんも預けられたんだから。 いや、事情を聞かなくても巻き込まれるけどな。 大国さんの一件も、そんなようなものだし。 俺と照子さんが睨み合っていると、急に外の気配が変わった気がした。 二人ではっとなって、戸の方を見る。 この感覚、知ってるぞ。 結界とか、そういう・・・
/260ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10543人が本棚に入れています
本棚に追加