最終編 照子ちゃんの場合

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「ぎゃああ!ぎゃああ!そこにおわしまするか、天照大神様!」 突然、ヤタの声が外から響いてきた。 いつもの数倍騒がしい。 これ、明るいうちにやられたら、ご近所に驚かれる。 だからか!だから結界張ったのか、タカさんだかウカさんだかスサくんだか知らないが! 次いで、戸がドンドンと叩かれる。 「天照大神様!お迎えに上がりました!我らが主人、宇迦之御魂神様も直においでになります!どうか戸を!」 ウカさんが来るってことは、戸を叩いているのはウカさんのところの狐か。 前にウカさんが命令しているのを見たことがある。 「ぎゃああ!店主!泉実!戸を開けんか!天照大神様をお隠しになるとは、何たる大罪!神罰が当たるぞ!」 理不尽! 俺は開けろって頼んでるんだぞ! 勝手に店に連れ込まれて、戸を開かなくされて、あげくに神罰とか、割に合わなすぎる! 俺がむかっと来たのが伝わったのか、照子さんが外に向かって叫んだ。 「こちらに神罰なんて当てません!当てようとしたら、私が相手になります!」 相手にならなくていいから、帰ってくれないかな、照子さん。 神様同士、高天原で解決してきてほしい。
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