最終編 照子ちゃんの場合

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「もちろん、そんなことで天の岩戸には参りませんでしたけれど、自室で少々気を鎮めておりました。その間に、高御産巣日様が弟を拳骨で思いきりどついてくださいましたから、弟も謝りに来て、ええ、それはそれでもうよろしいの。」 全力でどついたんだろうな、タカさん。 髭ぼうぼうでべそをかくスサくんが想像されて、苦笑してしまった。 だが、問題はこれからだった。 「その後、私が別室を通りかかりましたら、男神たちが何やらひそひそと。何気なく聞いておりましたら。」 最初は、スサくんの悪さは規模は小さくなったが治らない程度のことだったとか。 そのうちに、雲行きが怪しくなった。 また照子さんに天の岩戸に閉じ籠られたら困る、今のうちにまたアマノウズメに踊りを練習させておくかというところから始まり。 人間界では複数で歌ったり踊ったりするのが流行っているらしい、47と48とか49とか。 ならば、いっそのこと高天原でも見目麗しい女神50人で踊りをと。 「その中に!私が入っていなかったのですよ!!私が!!」 わあっと泣き出す照子さん。 あー・・・そりゃあ・・・
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