最終編 照子ちゃんの場合

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観念した俺がとった行動は。 自宅から、ダイニングの古くて小さいテレビを持ってくる。 それから、DVDプレーヤー。 普段からほとんど使っていない、これまた古いもの。 当然、ブルーレイなんていまだ未知の世界だ。 小上がりに、テレビとDVDプレーヤーを設置する。 それから、まりちゃんを呼んだ。 「まりちゃーん。」 俺の声に応えて、ぽーんぽーんと毬をつくような音がして、まりちゃんが姿を現した。 「なーにー、いずみー。」 「あのね、まりちゃ・・・」 「まあ!お久しぶりねえ、まりちゃん!お姉さんのこと、覚えているかしら!」 俺を押し退けて、照子さんがまりちゃんの手をとった。 この行動、誰かと似てるぞ。 華原さんとか華原さんとか華原さんとかな。 「あ、あまてらすのおばちゃーん。」 待て待て待て、まりちゃん! 偉い神様だから!まりちゃんだって、神様なんだから、照子さんがどれくらい偉いかわかるだろうに!
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