最終編 照子ちゃんの場合

40/76
前へ
/260ページ
次へ
ようするに、そのアイドル化計画が頓挫すればいいわけで。 とっとと潰してくれ、そんな無茶な計画。 そして、照子さんを連れて帰ってほしい。 こんなに神様が集まっていると、お客さんが神気に気圧されて入ってこない。 少なくとも、あの種族以外は。 妖怪の風上にもおけないようなふてぶてしさだもんなあ。 小上がりからは、音がまったく漏れてこない。 完全防音の完璧密室と化しているうちの小さな畳の小上がり。 「おーい、照子ちゃん、迎えに来たぞー!」 「帰ろうよー。バカなこと考えたやつらは、タカがぶっとばしてくれるからー。」 「姉上ー!姉上ー!俺様が悪かったから!姉上だけ泉実のとこの世話になってるなんてずるいぞ!!」 待て、スサくん。 君だけ言ってることが違う。 案の定、火を吐きそうなほど怒った顔のタカさんに、胸ぐらを掴まれて実力行使される寸前までいった。 タカさんは、別天津神(ことあまつかみ)で高天原を今の形にするときに尽力して神様なんだから、きっと本気出したらスサくんより強いのかもしれないなあ。
/260ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10543人が本棚に入れています
本棚に追加