最終編 照子ちゃんの場合

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イエローカードに恐れおののくミハイさんとスサくんはおいといて。 俺は、タカさんとウカさんの前に常温の日本酒を出した。 本日の付きだし、買い出しを邪魔されたのでありもので申し訳ないが、鯖の水煮と大根のピリ辛煮。 それから、ようやくミハイさんに赤ワインのボトルとグラス。 スサくんには・・・ 「今夜はお酒禁止。」 「な、なんだと!?」 酒癖がよろしくないのは神話でも知っているし、何より今回の騒動の発端の一つはおやつを我慢できなかったスサくんにある。 「おやつを我慢できないような子は、ジュースかお茶。」 「泉実ー!俺様も酒がいいー!」 「お客さん、ご飯炊き上がってますから、親子丼とリンゴジュースってのはどうですか。もうすぐまりちゃんにも休憩とらせますし。」 「酒抜きでいいからお客さんって言うな、泉実ー!」 はいはいと返事をしながら、俺の意識は小上がりに。 そう、二人が小上がりに閉じ籠ってもう何時間たったやら。 そろそろ二人に声をかけて、出てきてもらおう。 まりちゃんには、いつものように塩むすびとリンゴジュース、照子さんには・・・
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