最終編 照子ちゃんの場合

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まりちゃんが、リンゴジュースを飲みながら、「あのね、あのね、おなかんとこをね、出したりー引っ込めたりー」「足をねーよこにねー・・・ねえねえ、くいっくくいっく、すろーすろーってなぁに?」とか、DVDを観ながら踊っていた感想を話してくれる。 「あとねー、おててをねー、ぐーっと後ろにひいてねー。」 それは二の腕の部分痩せか? たぶん、DVDを三枚とも観たんだろうなあ。 「疲れたろう、まりちゃん。そんなにずっと体を動かしていて。」 「おもしろかったー。あのね、あのね、テレビの中の人が、ぐっどー!とか、ぱーへくと!とか言ってるの、それってよくできましたってこと?」 ぱーへくとは、パーフェクトだな、うん。 「そうそう、良くできましたってことだよ。誉められてよかったねえ、まりちゃん。」 「わーいわーい!」 それ、踊っても踊らなくても、DVDを観た人全員は聞ける誉め言葉なんだけどな。 誉められてと思って喜んでいるまりちゃんには言わないでおこう。 そして、照子さんはタカさんに支えられながら、カウンター席、まりちゃんの隣に座った。
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