最終編 照子ちゃんの場合

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「いい加減にせんか、貴様ら。」 黙って聞いてたミハイさんが、むすっとしながら口を開いた。 「踊りたいのであれば、そこの女をリーダーにしたグループでも何でも作ればよかろう。それに、泉実の好意で観た映像と音楽がどのようなものかは知らんが、どうせそれを見聞きしたものは貴様らの領土にはその女の他はおらんのだろうが。ならば、いっそのことその女が自分で振り付けでもなんでもしてやればいいのだ。」 それって、照子さんが振り付け師になるとか、プロデュースするとか、そういう案か? ミハイさん、突然何をと思ったが、 「その女を説得し、あの妖怪を追放して、それで収まるのか。そこの髭じじいが力で押さえ込んだとて、他の男どもは後々また計画したら同じことの繰り返しである。一度アイドルとやらの知識を授けられたのだろうが。」 だったら、いっそのこと照子さん主導で作ってしまえと。 そういうことか、ミハイさん! それって・・・それって・・・ 「いいんじゃないですかね、それ!」 思わず、俺までぽろりと口にしてしまっていた。
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