最終編 照子ちゃんの場合

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「泉実さん。本当にお世話になってしまって。」 俺も頑張ったよな、今回。 店の戸を天の岩戸並みのセキュリティーにされて、テレビとDVDプレーヤーまで自宅から持ってきてセッティングして、場所まで提供して。 しかも、買い出しまで台無しにされて。 それでも、照子さんがそれなりに納得してくれて、タカさんたちも照子さんを連れ戻せることになったんだから、よしとしよう。 だったら、俺は俺の仕事をしよう。 「世話と言うほどのこともありませんが。よかったら、飲み食いしていってください。買い出しをしてないもんで、ありものでお作りすることになりますが。」 ということで、今回は油揚げはない。 ウカさんにそれを謝罪すると、俺のせいじゃないからと許してもらえた。 卵も鶏肉もあるから、スサくんの親子丼はできる。 でも、まずは。 「照子さんと一緒に最後まで踊ったまりちゃんにも、ごほうびあげないとね。」 塩むすびを握ってからにさせてもらおうか。
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