最終編 照子ちゃんの場合

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「泉実!こんな化け物なんぞ頼らず、いつでも俺様が力を貸してやるからな!」 それはありがたいが。 スサくん、そのためには、君が騒動の原因を作らないことなんだがな。 そこんとこを早く理解してくれ。 てか、理解させてくれ、神様ズ。 支払いは、タカさんがしてくれた。 童話の世界から抜け出してきたお客さんや、あまり世慣れていない妖怪のお客さんだと、現金払いができないこともあるが、さすがタカさんたち日本の神様は日本の現金を持っている。 どうやって手にいれているのかは聞かないでおこう。 自分を祀っている神社の賽銭箱から拝借してきていませんように。 いや、その方がまだいいのか。 どうか、日本の経済に影響の出るようなお金で俺の店の支払いをしていませんように。 とは言っても、四人でほんの数千円程度だがな。 神様たちが店の外に出るのを、俺もカウンターから出て見送る。 外で控えていたヤタや狐たちが、「ぎゃあ!高御産巣日神様!天照大神様!ご無事で安堵いたしました!」だの「宇迦之御魂神様。お疲れさまでございます。」だのと神様たちを迎えて喜んだ。
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