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イカれた男性は女性の腕を引っ張ると、今度は正面から肩に噛みつこうと歯をむき出しにした。しかし女性も黙ってはいなかった。
握りしめた箸を頭上高く掲げると、思いっきり男性の胸めがけて突き刺した。
今度は今までのような手加減はしなかった。
男の胸にめり込んだ箸は、半分以上体内に食い込んでいた。
「グハッ……」
男は息の仕方を忘れたのか、掴んだ女性の手を放してへなへなとその場に座り込む。
そして身体を横たえるとそのまま動きを止めた。
「う…嘘でしょ……?」
女性は血の流れ出る肩先を押さえながら倒れた男を見下ろした。
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