オリンピックの夢

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僕は、中学生の頃からバレー部に所属していて、高校に入学してからもバレー部に入部した。 中学3年生の頃から身長が急に伸びた僕は、高校3年生の頃には身長が185Cmになっていて、男子バレー部員の中では身長が高かった。 僕の高校のバレー部は、毎年全国大会に出場して好成績を残している強豪校で、僕が高校3年生の最後の大会では全国大会で優勝という快挙だった。 高校を卒業した僕は企業から声がかかって、社会人になってからも会社のバレー部に入って活動を続けていた。 僕の所属する会社のバレー部は比較的強く、毎年Vリーグで好成績を残していた。 社会人になってからも活躍していた僕は、20歳の頃から全日本チームのメンバーにも選ばれて、オリンピック出場を見据えた合宿や世界選手権大会などにも日本代表選手として出場していた。 全日本チームのメンバーは、身長が190Cmを超える選手も多くて、僕はどちらかというと身長が高い方ではなかったため、セッターというポジションを任されていた。 僕が21歳になったオリンピックの年は、予選大会を何とか勝ち抜いてオリンピック出場権を獲得し、オリンピックの本大会に出場した。 オリンピックの雰囲気は独特で、試合前は緊張とプレッシャーに押し潰されそうになったけれど、いざ試合になると緊張感やプレッシャーは忘れて、目の前のボールを追うのに必死になっている自分がいた。 しかしオリンピックでは、世界の強豪国に歯が立たず、1次ラウンド敗退という結果だった。 僕は、何とかオリンピックでメダルを取りたいという夢を持っていて、その後、25歳のオリンピック、29歳のオリンピックにも出場したけれど、いづれも1次ラウンド敗退でメダルには手が届かなかった。 僕は、夢を果たせないまま、32歳で引退した。
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