序章:この世界について・第1章:竜の王子と悪魔の笑劇

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びたくなってきた。おまけにこの悪魔は僕のことを相当の好き者か何かと思っ ているな。そんな僕の視線には全く気づかず、悪魔は嬉しそうな表情で契約書 を先生に差し出してきた。何も言わずに先生は一読してサインしているけれど 大丈夫なのかな。 「さぁ、私はこれで失礼いたしますね」 サインした契約書を受け取ると、悪魔は満足そうな表情で立ち上がった。もう ここには用はないとばかりに、形式だけの挨拶を終えると僕らに背を向けて入 り口へ歩き出す、 「おや、引き取りの手続き後のアフターケアなどはよろしいので?」 「いりませんよ、適当にやっちゃってください」 満足げに話す悪魔に、僕らは何も言わなかった。 こっちとしたは体の良い厄介払い……いやこの場合は悪魔払いか。 もう二度と来るなよ。またあのレベルの変装でやってきたら今度こそ我慢でき ずに爆笑してしまいそうだ。 「ああ、そうそう言い忘れていました」 もうこれで終わりかと思ったそのとき、扉から退室しようとしていた悪魔が、 急に振り返った。表面上は笑顔だが、口元が先ほどより歪んで見える。 「また何かお望みとあらば、いつでも赴きますよ。遠慮なくお呼び下さい。こ の私を……ね」 「そうか……」 肯定も否定もしない父の返答に、肩をすくめてレイレイは立ち去った。平静を     
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