第2章:竜の王子と壊れた天使

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「あ、イグウィルお帰り、おかわり!」 「あーーー! またアウトかよ!? あ、あのちょっと…」 「待ったは無しです♪ はい、これで私が5連勝確定ねぇ」 「…………う、ううん……」 相変わらず僕の部屋では友人達によるフリーダムな空間が広がっていた。変わ ったのは唯一気絶していたファーザス君が復活していたくらいか。目はまだう つろだったけれど、辛うじて意識はあるからとりあえずは大丈夫だろう。 「お帰り……じゃないよ。さっきまで漂っていた重苦しい雰囲気を返せ! 僕 の部屋は秘密の集会所じゃないっての」 「えーーー?」 「えーーじゃないっ、寝てないでそこから起きなさい。 あっ、その初代国王 誌は枕にしちゃいけません、ちゃんと戻しなさい!」  「あー、わかったよぉ。実際枕に使ってみたけどなんか頭がこんがらがるし、 きっとこの本が難しすぎるせいね?」 ナナの言葉に僕は頭を抱えたくなった。その本って金銭価値は無くたって、文 化遺産ものの貴重品だぞ。 「眠たくなったら客間に置いてあるベットで休みなさい。 まったく、こっち は我慢大会よりタチの悪い謁見がようやく終わった所なのに、その余韻を引っ 張る暇すらないじゃないか?」     
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