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「大丈夫、なにもされてないよ。その悪魔ならもうとっくに帰ったし。なんだ
かよく分からないインチキ商法で奴隷を押しつけてきたけれどね」
「はぁ!? ちょっとそれどういうことか詳しく説明してよイグウィル!」
ナナがこたつから頭を出して突っかかってきた。まじめに話しているつもりな
のだろうが、その背後では友人達が押し合いへし合いでこたつが発酵パンみた
いに膨らんでいるので笑えてしまう。これ爆発しないだろうな?
「全く、まさかこの国の王城までやってくるとはなぁ。不幸中の幸いだったと
はいえ災難でしたね、イグっち。インチキ商法については正直僕も理解に苦し
みますが……」
僕からの特別謁見のやりとりを全て説明すると、ルヒエルはそうこぼしてため
息をついた。本来は特別謁見で知り得た機密情報を漏らすのは禁止されている
けれど、あのやりとりじゃ機密もなにもあったものじゃないだろう。
「話を聞く限りそのレイレイの正体は、レイヴンという悪魔で間違いないでし
ょう。多分、連れてこられたその奴隷は悪魔の手先ってセンはないと思います
よ。基本的にそのレイブンって悪魔ですが協調せずに単独で手柄を立てたがる
ような奴ですし」
「ふざけた偽名だと思ったけれど本名も大して変わらないのかそのレイブンっ
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