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て。その様子だと彼のことよく知っているのかい?」
「ああ、よく知っているよ。俺らにとって因縁の相手だ。サディストで残虐、
命を平気で弄ぶような本物の悪魔さ」
「ファーザス君ちょっとまって。あれってそんなにやばい奴だったのか?ヒト
違い…いや悪魔違いってことは?」
「似たような悪魔がそうポンポンとこの世界に居るはずがないわよぉ。多分、
この国をターゲットにしていなかったから、残虐な面が出てこなかったのでし
ょうね」
「まあ、最初の変装やインチキ商法も演技で無く素だったろうけれどね。どこ
か抜けていて失敗も多い奴だったし」
マナの言葉をイシマちゃんが引き継ぐ。表情は真剣だけれど、せんべいを囓り
ながら話せるだけの余裕は持てるみたいならまだ大丈夫だろう。
「それにしてもみんなありがとうね、心配してくれて」
「当たり前よ!だ、大事なパトロンが居なくなったら困るもの。ねぇイグウィ
ル、アンタは自分が反則レベルの大金持ち王子様だって自覚を持ちなさいよ。
アンタの身に何かあったら嫌なんだから!」
不安げな口調でナナが突っかかる。「ケケケ、ツンデレヒロインでも目指して
いるのか。無駄なあがき(笑)」の声が聞こえた瞬間、鈍い音と共ファーザス
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