第2章:竜の王子と壊れた天使

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君が再び壁とお友達になった光景が目に入ったが、見なかったことにしよう。 そもそもパトロン目当てなら、僕に手をぎゅっと握ったりしてこないだろう し。 「とりあえず、彼にはくれぐれも油断しないで下さいね。城にいる使用人で欲 深そうな奴とか探しているかもしれないですし。あいつはそういった特定の気 配を持ったヒトを探る能力持っているから」 そこまでいうと急にルヒエルは黙り込んだ。おや、心なしか顔が青ざめている ように見えるけれどどうしたんだ? 「ねぇ、イグッち。あいつはこのお城までやってきたんだよね、私たちがこの 部屋にいる間にもね?」 「うん、そうだけれど?」 ルヒエルの問いかけに答えると、友人一同全員の顔色が青く変わっていく。 「まずいわよ。あいつって私たちの気配も察知できる力があるのよ? お城に 来ていたなら、バッチリ気配に気がついてるわ」 「ええ、いくら何でも大丈夫だろうナナ?分厚い壁を超えてまで気がつく化け 物じゃないだろう?」 「関係ないのよあいつには。匂いだかチョウオンパだか知らないけれど、怪し いと思ったら徹底して捜索して見つけ出すんだから!実際それで何度出くわし て危ない目にあったか……」 それ、別の意味で危ない悪魔じゃないか、そのレイレイ君って。     
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