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君が再び壁とお友達になった光景が目に入ったが、見なかったことにしよう。
そもそもパトロン目当てなら、僕に手をぎゅっと握ったりしてこないだろう
し。
「とりあえず、彼にはくれぐれも油断しないで下さいね。城にいる使用人で欲
深そうな奴とか探しているかもしれないですし。あいつはそういった特定の気
配を持ったヒトを探る能力持っているから」
そこまでいうと急にルヒエルは黙り込んだ。おや、心なしか顔が青ざめている
ように見えるけれどどうしたんだ?
「ねぇ、イグッち。あいつはこのお城までやってきたんだよね、私たちがこの
部屋にいる間にもね?」
「うん、そうだけれど?」
ルヒエルの問いかけに答えると、友人一同全員の顔色が青く変わっていく。
「まずいわよ。あいつって私たちの気配も察知できる力があるのよ? お城に
来ていたなら、バッチリ気配に気がついてるわ」
「ええ、いくら何でも大丈夫だろうナナ?分厚い壁を超えてまで気がつく化け
物じゃないだろう?」
「関係ないのよあいつには。匂いだかチョウオンパだか知らないけれど、怪し
いと思ったら徹底して捜索して見つけ出すんだから!実際それで何度出くわし
て危ない目にあったか……」
それ、別の意味で危ない悪魔じゃないか、そのレイレイ君って。
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