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一番奥に押し込まれていたナナがようやく抜け出すと、むっとした顔で先生詰
め寄っていた。
「ちょっと! 脅かさないでよ!アンタのドッキリのせいで大事な美貌が台無
しじゃない。慰謝料請求してもいい!? ううんいいわよね!?」
「これはすみませんね。ああ、慰謝料はありませんがお詫びにこれを差し上げ
ましょうか」
「なによこんな本一冊で私の気が済むと……?って、これってもしかしてショ
タイグウィルの写真集!」
おいナナ、僕のアルバムを見ている目つきが怖いぞ。
「ええ、幼少時のイグウィル君のアルバムですね。お望みと思ってカラーのま
ま焼き増ししておきましたよ。原書は不可でも、こっちは持ち帰っても構いま
せん」
「え……いいのお持ち帰り……。これで全部私のモノ……ふふ、ふふふふっ」
先生の言葉にアルバムを抱き寄せたままナナのにやけ顔が止まらなくなった。
流石は先生、あっという間におてんばナナを飼いならしたよ。しかし先生、そ
の餌付けに目の前に居る大事な生徒を餌にしますか、普通?
「まぁそこのナナは置いておくとして、ここなら心配ないってどういうことな
のです?」
「ルヒエル君、ここの王子の部屋には、セキュリティのために私が作った結界
を張っているのですよ。物理的な攻撃は弾きますし、この中にいればどんな隠
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