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②:あの奴隷の子のことを知りたい、
③:あの悪魔が、イグウィル君にあの奴隷の子を押しつけた理由を知りたい、
これのどれになりましょうかね?」
「全部ですよ。それと『④:そんな彼女を先生が引き取った理由は?』も追加
です。あの子のこと、先生は単なる同情だけで引き取った訳じゃないでしょ
う。客間ではなくわざわざ先生の部屋に連れて行った位なのですから」
「ええ、それもちゃんと説明しますよ。イグウィル君、とりあえず私の部屋に
来て貰いましょうか?」
お茶を飲み終えて部屋を出た時には、城の外は夕暮れから夜へと景色を変えつ
つあった。差し込む光が途絶えた宮殿通路の左右で魔法の光源が街灯のように
光り、壁際に並ぶ植物を淡く照らしている。
「まず①、悪魔ことレイレイ君の目的から説明しておきましょう。ああ、安心
して下さい。彼は特にうちの国に何かしようとしていた様子はありませんでし
た。立ち去る前の言葉も、悪魔なりの別れの挨拶ですから深い意味はありませ
ん。俗語で言う「アウトオブ眼中」ってところでしょう」
「安心どころか聞いて腹立ってきましたよそれ!? 単純に僕らはどうでも良
いって事じゃ無いですか?」
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