1章

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「あ、やっと来た!」 「少しくらい大人しくしてなよ桜。」 「あれ?貴女はたしか……」 「あの……桜ちゃん。どっちがリンリンさんなんですか?」 「私のあだ名だよ、それ。」 「ひっ……!」 「そんなに怯えなくても噛みつきはしないよ。私は藤沢凜子。貴女は?」 「雲野晴香(うんのはるか)です……。はじめまして藤沢さん……。」 「凜子で良いよ。宜しく、晴香。」 「凜子。貴女哀川さんと友達だったの?」 「プレーンオムレツあげたら、(これ)になつかれた。」 「リンリンのオムレツが美味しいのが悪い!ところでリンリン、この人だれ?」 「こうして面と向かって話すのは初めてね。黛馨よ。……この場合はじめまして、で良いのかしら?」 「良いんじゃない?宜しくカオルっち!」 「カオルっち?」 「桜は仲良くなったと桜が思ってる相手に独特のあだ名を付ける癖がある。」 「そ、そうなんだ……。」 「この呼び方のおかげで意識の外から話しかけられてもすぐに相手が特定できる。」 「……ねぇリンリン?」 「何?桜。」 「顔赤いよ?」 「え?そんなこと……」 「ちょっと、凜子!?」 「あわわ、ひどい熱……!」 「とりあえず保健室に行きましょう!哀川さん少し手伝ってください!」 凛子の長身が、ぐらりと揺らぐ。 おぶって連れていこうとするも、長身ゆえに半ば引きずるように連れていかれる凜子。
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