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僕は普通に家へ帰り、自分の部屋のベッドで眠った。いつもは幸せな夢を見るのに…
今日だけは悪夢を見た
それは僕が実咲姉から岡本くんを奪ってしまう夢だった。クラスからは軽蔑されて、実咲姉からは"裏切り者"と言われ、岡本くんからは冷たい目で見られる…
正夢になりそうな夢を見た。
夢だと信じたいのに現実では?と思う僕が居ると思ってしまって、目が覚めた。
時計を見るとまだ夜中の2時だった。
眠りについたのが24時だったから2時間しか寝てなくて、寝なきゃと思えば思うほど、寝れなくて…僕は気分転換に外へ散歩に出た。
外は寒くて、上着を忘れた僕には寒空の中だから引き戻そうと思ったが、引き返せなかった。
帰れば泣きたくなり、家の中で泣いたらいけないと分かっているから外で流すしかなかった…
『うっ、グズッ、んっ、僕、間違ってないよね。グズッ、実咲姉に悠斗くんを返せたよねっ、うっ、グズッ、最後に悠斗って呼びたかったよ、うえーんッ、グズッ』
「じゃあ、呼んでくれよ。南」
『えっ!』
僕は驚き、後ろを振り向くと岡本くんが立っていた
『グズッ、なんで、岡本くんがっ?』
「悠斗じゃねえの?俺は実咲に頼まれて南を探しに来たら、嬉しいこと言うから、つい声かけちまった…」
『そっか…グズッ、実咲姉に頼まれ…んっ、たなら、仕方ないねっ、グズッ、帰ろうよっ』
僕が泣き腫らした顔を向けて、岡本くんに声をかけたのに…岡本くんは眉間にシワを寄せて悲しそうに聞いてきた
「なあ、南?俺達は本当に別れて良かったのか?」
『うっ、うん…良かったの、グズッ、これで』
本当は別れたくないよ。実咲姉の元カレだろうと良かった。
でも、綺麗な姉さんと平凡な僕じゃ比べられたらおしまいだもん。
2人がまた出会えたんなら僕は身を引かないと美男美女が揃わないよ。
だってクラスメイトから"お前らは釣り合わない"とか"平凡のお前は悠斗くんが同情でいるんだ"や"もったいない"とか"義理で付き合ってるだけ"などと言われて、
実咲姉という元カノにまた出会えたなら僕はお邪魔虫だよ…
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