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川瀬さんがにこやかに答えてくれる。対照的に、さっきのやりとりを引きずっているらしい長友さんと中垣さんは、相変わらず渋面のままだ。
「この後、各部長同士で打ち合わせをさせていただいてもよろしいですか?」
中等部の頃から親衛隊を運営しているベテラン幹部達に教えを請えるなんて、川瀬さんの提案は本当にありがたい。
「是非お願いします」
「では、室井隊の各部長は、親衛隊活動を行って行く上で特に把握すべき重要事項について、山崎隊の部長方へ詳細な説明を行って下さい」
部長達を会議室に残し、僕たち6名は隣接する隊長室へと移動する。
「乾隊と西城隊の動きはどうですか?」
円卓に全員が着席したのを確認して、伸が長友さんへ問い掛けた。
「今のところは問題無しです。うちの警護隊は凄腕ぞろいなんで、早々手出しはできないと思います」
長友さんの影響なのだろうが、山崎隊に入隊を希望した生徒には反風紀の人も多いらしく、普通の親衛隊とはかなり雰囲気が違っている。
「山崎隊の警護の方々って、とっても強そうですよね! できれば、うちの警護隊と合同訓練していただきたいです」
「もちろん、いいですよ」
「有難うございます」
長友さんと川瀬さんの会話を聞きながら、親衛隊同士で協力し合うことが本当に可能なのだと実感する。
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