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あのまま、時が止まってしまえばよかったのに。
優しく抱きしめられて、その腕が、幻の中で見た愛しい人のものではないと気づかされる。西城様の温かさに包まれて、砕け散りそうだった心が繋ぎ止められる。
あれは、違う世界での幻。今、僕は違う人生を生きているのだ。
あの頃には無かった絆が、今の僕にはある。
いつでも僕を支えてくれる、大切な伸という存在。川瀬さんを始めとする室井隊幹部の方々。西城隊で僕を気遣ってくれた仲間達。そして、西城様。
僕は、あの頃の自分とは違う。
だから、前を向いて生きていこう。
たとえそれが、最愛の人との別離の道であったとしても。
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