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[3.親衛隊]
「静流は親衛隊を作ってもらった方がいい」
僕が3年生の先輩たちを見送った後、自室から出てきた伸が開口一番にそう言った。
テーブルの上の飲み物を片付けていた僕は、目の前のソファへと腰を下ろす伸を見つめた。
「先輩たちとの話、聞こえてた?」
「いや。でも、3年の先輩がお前を訪ねてくるんなら、そういう事だろ?」
僕は3人分のティーカップをトレイに移し、台所へ向かう。
「親衛隊の説明は聞いたんだろ?」
「うん……」
伸の言いたいことは良くわかっている。
洗い物を終えた僕は、伸の前の一人掛けソファに座る。
「信じられないかもしれないけど、この学園でお前みたいなタイプはまじでヤバイんだ。親衛隊に守ってもらった方がいい」
「……実は僕、西城様の親衛隊に入ろうかと思ってるんだ」
「おまえ、西城の事なんか何も知らないだろ?」
「うん」
僕は小さくうなずく。
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