第1部 Boy meets boys [現在]

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「でも、誰かの親衛隊に入ってれば、とりあえず身の安全は保障されるんだよね? ホントは伸の親衛隊に入りたいんだけど、寮の同室者は入隊を許されないっていうから……」 今のところ、新入生で親衛隊が作られているのは、乾様と西城様、そして伸だけだ。 3年間ちゃんと守られたいから、入るとしたら同学年の親衛隊がいい。2年に上がる頃には、他に数名の親衛隊が作られることになるが、入学直後で既に設立されているのは、中等部から圧倒的な人気を誇るこの3名だけだった。 乾様と西城様は、中等部でも生徒会会長と副会長を務めていらしたし、伸は、都大会でベスト4に入る強豪バスケチームのキャプテンだった。 「伸の親衛隊の子たちからしても、このまま同室者の僕が伸と仲良くしてるのは気分良くないだろうし。……でも、他の人の親衛隊に入れば、少しはそういう風当たりも弱まるかと思って」 「そういうのも、親衛隊がいれば、お前が嫌な思いをしないように全部調整してくれる。うちの学校は、校内でも寮でも、とにかく人間関係のゴタゴタが多いんだ。静流みたいに綺麗な顔してると、誰かに狙われて面倒臭いことに巻き込まれる可能性が高い。だから、先輩たちがお前の親衛隊を作りたいっていうんなら、お願いした方がいい」 「でも、僕は、あんまり目立つ立場にはなりたくないし、その能力もないよ」     
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