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「西城様のお許しが出るようでしたら、是非一度、山崎君とゆっくり話をさせていただきたいと思っています」
「許可など不要です。僕と静流は対等なパートナーですから」
一瞬、驚いたように目を見開いた更科様が、小さく苦笑を漏らされる。
「西城様と対等な方など、たったお一人しかいらっしゃらないでしょうに……。本当に西城様には驚かされますよ。夜会に初めて同伴されたのが外部入学の守護対象者で、さらにその相手を対等なパートナーとおっしゃるとは……。まさしく異例づくめですね」
「そういう更科さんこそ、この異例づくめの状況を楽しんでいらっしゃるように見えますが?」
「西城様には何も隠せないですね」
お二人の様子を見ていると、西城様と更科様が旧知の間柄なのがよくわかる。敵対する立場とは言いながらも、五大財閥直系の地位にいる守護対象者同士だからこそ交わせる会話だ。
乾様と夜会に訪れた時も、親衛隊の部下達に向けるものとは明らかに違う、守護対象者同士の奇妙な連帯感のようなものを感じ取る事があった。敵だと理解しながらも相手を認め合っている、そんな不可思議な関係性を。
「では、改めて山崎君へお願いする事に致しましょう」
そう言って、僕へと向き直る。
「守護対象者同士の正式会談を申し込みたいのですが、お受けいただけますか?」
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