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それでも、たまに静流の手料理が無性に懐かしくなる。
静流と一緒に暮らしたのは半年間だけだったのに、今でもこの部屋のあちこちに静流がいて、笑ったり、怒ったり、時には涙を見せたりして、繰り返し俺の心をかき乱す。
これが恋なのかどうかは、自分でもわからない。
ただ静流には幸せでいてほしいと心から思う。
「俺はここにいるから……」
俺はおまえがいつでも戻って来られる、そんな場所になりたいのかもしれない。
他愛無い話をして、おはようとかおやすみとか、そんな普通の挨拶を交わして。
そして時々、静流の笑顔が見られたらいい。
(「伸~! ごはん出来たよ~」)
懐かしい声が、聞こえた気がした。
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