第1部 Boy meets boys [現在]

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第1部 Boy meets boys [現在]

[1. 運命の輪] 僕はその時、生徒会長の親衛隊副隊長という立場だった。 彼に憧れて身も心も捧げた高校時代は、僕だけではなく、僕の家族までをも絶望の淵へと追いやって、その悲劇の幕を下ろすることになる……。 ◇◇◇◇◇◇ 「お前の顔など見たくもない」 誰よりも愛しい人が、冷ややかな視線を投げ掛けながら、そう言い放った。 互いの心を深く交わし合った時もあったはずなのに、全てが幻のように思える。今の彼の目に僕は排除すべき裏切り者としてしか映らないのだ。 「……(いぬい)様、ですが――」 「誰が勝手に口を開いていいと言った」 低く冷徹な声が、僕の体を竦ませる。 「お前の言い分など聞くつもりはない。今すぐここを去れ。二度とこの学園に姿を現すな」 (僕は乾様を守りたかった……。貴方は騙されているんです!) 去っていく会長の背に向かって、大声でそう叫びたい。 僕は無実だ。貴方を愛しているから、貴方を守るために行動したのだ、と。 けれど、喉から漏れるのは小さな嗚咽のみ。 心に反して体は、わずかに身じろぐ事も、声を発することもできない。     
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