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「おーい、誠! こっち来いよ!」
溜息をついていると、廊下から、同級生の友達に声をかけられた。
どうせ宿題を教えてもらいにきたのだろう。
「うん。今行く」
椅子を引いて、席を立とうとする。
「待ちなさい、誠くん」
が、横から強い力で制服を摘まむ手があった。
星野さんだ。
「……私の血液型は、A型よ。一緒にいなくていいの?」
──星野さん、まだ占いの話をしている。
占いなんて興味ないよ、とはさすがに言えないので、適当に誤魔化した。
「平気だよ。あいつもA型だし」
友人を指差すと、星野さんは少し表情を曇らせてから、「……そう」と呟いた。
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