占い少女

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放課後。校門から入り、靴箱へ。 家に帰ってから、体操服を教室に忘れていることに気付いたので、慌てて戻ってくることに。おかげで貴重な自由時間がなくなってしまい、面倒臭いことこの上ない。 靴を履き替えて、一歩二歩と歩き始める。 『……私の血液型は、A型よ。一緒にいなくていいの?』 ふと、今日の星野さんが言ったことが、頭をよぎった。 星野さんの、寂しそうな声が蘇る。 『それなら、山羊座と相性がいい乙女座の私と一緒にいるべきね。必ず良い事があるわ』 立ち止まって、思い出す。 星野さんが僕に何を言っていたのかを。 『占いで、お昼はたくさん食べるようにとの警告が出たから。だから、誠くんさえよかったら、少しだけ、食べても……』 水晶玉を片手に、そう言っていた星野さん。 そのときの表情は、硬くて。 まるで何かに緊張しているかのようで。 『私の占いによると、もう少しゆっくり走ったほうがいいわ……ま、誠くんの足に、不吉な予兆が出ているわよ……私と、同じくらいのペースで走りなさい』 胸のあたりが、気持ち悪い。 まるで、誰かに心臓を触られているかのように、落ち着かない。この気持ちはなんだ。 『……ごめんね』 ──ごめんね、だって? 「……それは、こっちのセリフじゃないか」 右手で頭を強く掻きむしる。悩み事ができたときにやってしまうクセだ。 大きく深呼吸をしてから、目を閉じて、五秒間じっとする。 目を開くと、心が落ち着いて、思考は正常に戻った。 「……とりあえず、忘れ物を取りに行かないとな」 今日はもう終わってしまった。明日のことは、帰ってから考えよう。 そう判断して、僕は誰もいないはずの教室に向かった。
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