舞踏会編

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「いってろ! よし! いくぜ! これなら舞踏会に参加できそうだ」  先程(さきほど)まで薄汚れた姿で、生気(せいき)のなかったシンデレラの口角(こうかく)が不敵に上がります。 「調子に乗んなよ、いくら無礼講(ぶれいこう)でも招待状がなきゃ踊れないんだぜ!」  そう首を(かし)げ、両の(てのひら)を呆れ顔のあたりでひらひらと、おどけるように振り肩を(すく)めたパンプキンヘッドの目前(もくぜん)へ、シンデレラは金色のカードを、ギン! と(かか)げて見せるのでした。 「控えおろう! この招待状が目に入らぬか~」  へへーっとパンプキンヘッドも恐れ入りやのマリア様と平伏(へいふく)いたします。 「こんなもの何処から盗んできたんだよ?」  呆気に取られ不思議そうにカードを眺めるパンプキンヘッドにシンデレラは、「人聞き悪りぃな! ばーか、親父宛に着たんだよ!」と誇らしげに(貧相な)胸を張るのでした。
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