スポーツドリンクと深夜の長電話

23/25
前へ
/748ページ
次へ
伊勢谷との電話を終えて、菫はぱたりとベッドに横たわった。 一喜一憂。 その言葉がピッタリ。 たった一言で胸が高鳴るし、たった一言で心臓がぎゅっと潰されたような気分になる。 寝よう……午前1時前。 今日は一日中、日の当たる外で大会に参加していたのだ。 さすがに体も疲弊している。 リモコンを使って部屋の灯りを小さくして、エアコンにおやすみのタイマーをかけた時、 [すーちゃん、まだ起きてる?] 成海から1件メッセージを受信した。 ……どうしてこの男はいつもこうなのだろう。 自分が穏やかな気持ちで眠れない時、不安定な夜に必ず連絡を寄こす。 甘えたらダメなのに、本当はちっとも強くない自分はメッセージに返信をしてしまう。 [起きてる。] 返信をしたらどうなるか分かっているのに。
/748ページ

最初のコメントを投稿しよう!

618人が本棚に入れています
本棚に追加