ブラウニーと新しい自分

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次の日、桜は緊張した面持ちで制服に腕を通した。 今日は成海と中庭で待ち合わせをしていた。ピンクアッシュに染めた髪を部屋の鏡で整えて下に降りた。 母親は昨日の帰宅後から不機嫌だ。 もちろん原因は自分の髪だ。そして、こんな風にしたのは安藤くんだと思い込んでいる。 違うのに。自分が自分で選んだだけなのに。 「お母さん、嫌だからね!その髪のせいで、学校に呼び出されるとか!」 もうしつこい!! 桜は返事もせずに洗面台に入り、いつもより丁寧にメイクをした。 成海に久しぶりに会うと思うと、少しでも可愛いって思われたかった。 桜は洗面台に置いてある薄いピンク色の香水の瓶に手を伸ばした。 直輝にもらったものだ。これも何とかしなきゃ。 使い続けてもいいのかもしれないけど、そこまで割り切れるほど自分はまだ大人にはなりきれていない。
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