ブラウニーと新しい自分

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お昼ご飯に学校の近くのパン屋でベーグルサンドを買って、桜は足早に中庭に向かった。 今日は成海と会う以外に学校にこれといった用事はなかった。それでも学校に行こうと思うのは、やはり成海の存在が大きいから。 桜が中庭に一歩足を踏み入れると、成海はもう来ていて、ベンチでカフェオレ片手に膝に乗せたくろの背中をなでていた。 「宮田くん。」 桜が成海の前に立つと、成海は一度桜を見て、あれっと目を瞬いて、もう一度桜を見た。 「神谷、雰囲気変わったね。髪の毛、短くなってるし、色も……変えたよね?」 「色も変えた」のところを、少し声のトーンを落としたのは、周りに聞こえないように配慮してのことだろう。 「そうなの。イメチェンしたくて。変…かな?」 「ううん。可愛いよ。前髪も似合ってる。」 「あ、ありがとう!」 成海に可愛いって言われて、桜は頬を薄っすら染めて成海の隣に座った。 くろはそんな桜の膝に、成海の膝からぴょんと飛び移った。 そして、成海の言葉に照れた桜の顔を見上げて「みゃあー」と鳴いて、尻尾を丸めて眠りについてしまった。
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