ブラウニーと新しい自分

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「ごめんね。しんみりさせちゃった。」 成海はいつもの人を魅了する笑顔に戻ると、桜の食べるベーグルサンドを指差した。 「それ、美味しそう。一口ちょうだい。」 「いいよ。」 桜がベーグルサンドを指で一口分をちぎろうとしたら、成海の手が桜の手首をつかんだ。 「宮田くん?」 「あーんしてじゃないの?」 何か今日、いつもと違う……。 成海に触れられた腕から血が脈打って、桜の体中を熱くさせた。 自分を見つめる成海の横顔は洗練されていて、見られているってだけで、心臓がもぞもぞとする。 「神谷、早く。」 ほら……何かが違う。どことなく不機嫌?不安定? それでも、彼に少しでも触れられるなら…… 「……あーんして。」 桜が成海の口元にベーグルサンドを持って行くと、成海は口を開けてかぷりと噛み付いた。
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