予告状

4/6

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
とりあえずのところ、一通の便箋は執事室の作業カウンター脇に置いて、新聞にアイロンをかけるために道具を取り出す。 アイロンが終わると、目覚めているであろう、主人の元へ新聞を届け、朝食の準備に取り掛かる。 袖をまくり上げ、しっかりと手を洗ってから鍋を取り出し具材を入れ軽く混ぜながら調味料を足していく。 蓋をして蒸し焼きにしている間に、茹でてから保存してあった芋を軽く潰してポテトサラダを作り上げる。 そろそろ頃合いかと、蒸し焼きにしていた鍋の蓋を外し、中を確認してから火を弱火にし味を調節して出来上がり。 料理をお皿に盛り付け、移動カートに乗せすべての皿に蓋をする。 一通の便箋も隅に乗せ、そのままカートを押して運ぶ。一つの部屋の前に着くとノックをしてから扉を開けた。 そこにはすでに何人か着席しており、その場にいないのは、早朝から仕事をしている主人である浦桐和臣と、朝のランニングに早くからでかけている榊嘉威と犬のリクとツヴァイの姿だけである。 おそらく嘉威はそろそろ戻ってくる時間であろうと時間を確認して、それぞれの席へと料理を運ぶ。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加