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――これ、わたしのじゃない……。
芽以は首を傾げながら、見覚えのない本の表紙を撫でた。
ざらざらした手触り。かなり古いものだ。
背表紙にはラベルが付いていて、手書きで『38』『な』『01』と記号が書かれている。
そのアナログな手作り感から、あまり大きくない公民館や学校の図書室に置かれている本かもしれない、と思った。
――いつの間に紛れたんだろう。
どこかで借りた覚えもないし、自分でバッグに入れた覚えもないし……。
訝しがりながら、その謎の本をパラパラとめくってみる。
その時――ふと強い既視感に襲われ、芽以は思わず本を閉じた。
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