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数子はM博士からタイムスリップ出来る腕時計をもらった。
やって来たのは1580年のスペインだ。
『太陽の没することのない帝国』と呼ばれているらしい。ペルーやメキシコから運ばれてくる銀を財源にしていた。
130隻の無敵艦隊と2500門の大砲を保有していた。スペインの台所と呼ばれているネーデルランドがクーデターを起こした。
ローマ帝国からコンスタンティヌス1世がタイムスリップしてきた。
ソーセージ王と呼ばれた男で、民衆からソーセージを取り上げて独占していた。
数子はコンスタンティヌスにホレていた。
あなたのソーセージでイカせてほしいな?
「自分の身は自分で守らないといけないな?」
コンスタンティヌスからマスケット銃を受け取った。
赤いシャツを着た騎馬軍団が砂埃を巻き上げて数子たちに接近してくる。
「ガリバルディめ!」
コンスタンティヌスが吠えた。
1830年にイタリア半島でクーデターを起こした民族組織『青年イタリア』の隊長がガリバルディだ。銀を求めてタイムスリップしてきたらしい。
ゲリラ戦に猛る軍団で、12歳から60歳までの義勇で組織されていた。
100挺のピストルと100挺の火縄銃で武装していた。20倍以上の兵力を誇るシチリア王国軍を壊滅させ、ナポリを陥落させた経歴がある。
ガリバルディが着ているのは屠殺場で使われている赤シャツ。獣を切るときに返り血を浴びるために考えられたファッションだ。白だと血が目立つが、赤色だったら付着してもカバーされる。
数子には殺してやりたい人間がやまほどいた。
キューピーで派遣社員をしていたがナカナカ正社員にしてくれない。ボーナスを稼ぐためにタイムスリップして金を奪っている。
M博士から教えてもらった。
『過去や未来で起こした犯罪は現世では犯罪にはならない』
つまり、つかまらずに2010年に戻ってくればOKってことだ。
数子はマスケット銃をぶっぱなした!
うまい具合にガリバルディに命中した。
大砲がボンボン轟き、ガリバルディ軍は壊滅に追い込まれた。
数子は赤シャツを手に入れた。
「ナカナカの腕前じゃないか?」
コンスタンティヌスに誉められた。
うかうかしてる場合じゃない。
ネーデルランドの裏切者たちがガリバルディの弔い合戦をはじめようとしている。
「はなしは後よ!逃げましょう?」
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